サイレント・マイノリティー

俺は友達を作ることが下手くそだ。頭も回る方ではなく、相手がどう思うか?という思慮、配慮に欠けている。そこを補おうと相手の話を理解しようとすると、相手が望む答えしか返せず「都合のいいときだけ頼ればいいかと思われる人間」に成り下がる。そして元来の交友関係リセット癖。合わせ技で1本、人間関係構築が下手すぎる。本音を出しすぎると角がたつ。相手の要望に応えすぎると追い詰められる。自分なりの答えが見つからず悶々とする日々を送っている。

 

東京を離れて5年あまりたったのだろうか。離れた土地ということもあり下手さは加齢とともに拍車がかかり、今ではすっかり「人間関係恐怖症」になってしまった。入り込みすぎると他人に流されすぎて自分がなくなりそうで怖く、離れていると周りが楽しそうに見えてしまう「思い込みの疎外感」で寂しくなり、どうやって関係を構築するのかが分からなくなってしまった。今は他人と話す際に、いったん距離を取ることで対話の体裁をギリギリ保っている状態である。そもそも俺の本質というのは「キョロ充」なのだと思う。そのことに30を過ぎて自覚してしまい悲しくなっている。今はそのキョロ充体質と向き合うために、必死に自分を貶め、ときにはナルシストの如く甘やかしている。

 

コミュニティや界隈にうまく馴染めず、馴染もうとして無自覚のキョロ充になり、キョロ充のレッテルを貼られ爪弾きにされるくらいなら、黙々と「登場人物が自分しかいない物語の主人公」になっているほうが楽だなと思うこともある。こういうところが拗らせているということと自覚はしているが、まぁ治らない。嫌になる。

 

今年は36歳になる。結婚もする。この拗らせがこれを機に少しは緩和されて、おおらかな人間になれるといいな。なれないかな。俺だもんな。